キャラクター性格診断スレまとめ Wiki - 8つの心理機能
※下記内容は消滅サイト「MBTI性格タイプ論の視点から世界を覗こう」からの引用です。
 サイトが復活した際は、リンク化してこのページは削除する予定です。

【コンテンツ】


心理機能とは

16タイプの性格の特徴を把握する上でのヒントが「心理機能」です。
心理機能とは、ユングが著書「タイプ論」で定義した心の働き方のことであり、ユングはこの心理機能の得意不得意に基づいて人間の性格を8つに分類しました。

16タイプ分類(MBTI)は、ユングの心理機能に基づく分類を発展させたものとなります。
そのため、心理機能について知っておくことは、16タイプの特徴を理解する上で重要となります。

各タイプ別の心理機能

8つの心理機能のうちどの心理機能を最も信頼して働かせており、どの心理機能に頼ることが苦手か といったことで、各タイプの特徴が決まります。

詳しくは⇒ 心理機能の順列
タイプ1-2-3-4タイプ1-2-3-4
ESTJTe-Si-Ne-FiISTJSi-Te-Fi-Ne
ENTJTe-Ni-Se-FiINTJNi-Te-Fi-Se
ESFPSe-Fi-Te-NiISFPFi-Se-Ni-Te
ENFPNe-Fi-Te-SiINFPFi-Ne-Si-Te
ENFJFe-Ni-Se-TiINFJNi-Fe-Ti-Se
ESFJFe-Si-Ne-TiISFJSi-Fe-Ti-Ne
ESTPSe-Ti-Fe-NiISTPTi-Se-Ni-Fe
ENTPNe-Ti-Fe-SiINTPTi-Ne-Si-Fe

8つの心理機能

人は情報を感受し、それを基に判断し意思決定を行います。 また、逆に判断に基づいて、次に受け取る情報を選択します。 この情報の受け入れと判断の際の志向の違いによって、人の性格が特徴づけられると考えます。

情報の受容における心理的傾向は、感覚と直観を両極とする軸を考えます。
判断と意思決定における心理的傾向は、思考と感情を両極とする軸を考えます。

情報の受容における心理的傾向軸
感覚(S) <ーーー>直観(N)

判断や意思決定における心理的傾向軸
思考(T) <ーーー> 感情(F)



両極を同時に満足させることは困難であり、 大抵の場合、一人の人間はこの軸のどちらか一方に偏った心理的傾向を示します。

さらに、この感覚、直観、思考、感情のそれぞれにおいて、外向性と内向性の心理機能を考えます。 すなわち、以下の8種類の心理機能があることになります。

外向的感覚(Se) Extraverted Sensing
内向的感覚(Si) Introverted Sensing
外向的直観(Ne) Extraverted iNtuition
内向的直観(Ni) Introverted iNtuition
外向的思考(Te) Extraverted Thinking
内向的思考(Ti) Introverted Thinking
外向的感情(Fe) Extraverted Feeling
内向的感情(Fi) Introverted Feeling

ユングは、性格タイプ論において、これに従って、性格を8種類のタイプに分けました。
最も強く働いている心理機能が、その人の性格を特徴づけると考えたのです。

外向的な心理機能は、意識が外へ向けられ、できるだけ多く、できるだけ広く関心を抱きます。 ペースが速いのが特徴です。 活動的で、幅広く外界を刺激し影響を与えます。 しかし、外界との関係を必要とし、独立して扱われることが困難です。 そのため、その場限りになってりまったり、表面的なもので終わってしまうことがあります。

内向的な心理機能は、意識が内へ向けられ、本当に関心のある少数のことを独立して扱います。 意識の中で深く掘り下げられ、継続的に発展してゆきます。 この働き自体を直接的に外から見ることはできません。 個人の内である程度の基準に達してから、別の外向的心理機能によって表現されます。そのためペースが遅く感じられます。

外向的感覚(Se) Extraverted Sensing

自分の身体や他人、そして外界にある物をありのままに詳細に受け取ります。 私たちは、眼、耳、鼻、舌、肌のそれぞれの感覚器官を通して、 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を得ることができ、外部の情報を受け取ります。 本能的で現実的な心理機能です。 身の回りにある物の様々な色、質感や音、美しい造形など、五感で捉えられるあらゆることに敏感です。 自由を求め、それを享受したいと感じます。 身体的なスリルや新しい刺激、そして物質的な心地よさを求めます。

キーワード
本能、五感、現実的、敏感、繊細、刺激を求める、好奇心、リスクを取る、自由を求める、開放感、物理的環境、変化、詳細、気づく、今この時、この瞬間、スリル、機会を逃さない、タイミング、物質的利益、浪費、乗り物、道具、気概、行動、俊敏、素早さ、詳細を認識、観察、経験、体験、実演、衝動、手作業、肉体労働、魅せる、見せびらかす、没頭

外向的感覚が第一心理機能であるタイプは、ESFP, ESTPです。
外向的感覚が第二心理機能であるタイプは、ISFP, ISTPです。

外向的感覚が発達しているタイプは、この外部からの情報を事細かに受け取ることに馴染んでいます。 瞬間瞬間の周囲の状況その変化、そして外部からの刺激を機敏に察知することができます。

観察対象の変化によく気がつくため、行動に出るタイミングを適切に計ることができます。

今このとき、この瞬間を強烈に体験することができるので、行動によって即時に起こる変化に興味が沸きます。

外部から素早く出来るだけ多くの情報をキャッチしようとします。 そのため、いろいろな方へ注意を向け、よく動き回ります。

距離感や、行動の影響が及ぶ物理的な範囲などをしっかりと把握することができるので、 スキー、スケート、車、バイク、飛行機などが好きです。 また、同様の理由でスピード感のあるスポーツを好みスリルに満ちた体験を楽しみます。

実際に、このタイプは五感によって察知した情報をもとに自然と体を動かすことができ、 身体能力が発達していることが多く、運動や手を使った作業が得意であることがよくあります。

身体によって感じ取られる物理的環境との一体感と完全な没頭によってもたらされる感覚(sensation) こそ、このタイプが求めていることなのです。

瞬間瞬間で外部から与えられる刺激や情報を見逃すことなく捉えようとします。 いつでも、状況に応じて素早く対応することが大切だと考えます。 今現在に意識を集中させ、どんなことも最初で最後のチャンスと考え逃すことがないように心がけます。

実際にそうすることで困難な現状を乗り越えてゆきます。 緊急事態に際しては、驚くほど柔軟に対応することができます。

考えが足りず失敗することもありますが、 いつでも現在に集中し、行動を繰り返すので、いつのまにか障害を乗り越え、 大きく前進して成功をつかみ取ります。

何よりも行動をすることが大切です。 よく観察し真似ることで学習効率が良くなります。 体験することによって、はじめて多くの刺激を受けることができ、楽しみながら学ぶことができるのです。

こういった理由から現実的で実用的なことに興味が沸きます。 いろいろな道具の利用法を覚え、遊んだり、物を直したりします。 一方、抽象的な理論の学習にはすぐに飽きてしまう傾向があります。

このタイプは、思考や感情が外向的感覚の心理機能によって表現されることがよくあります。 その場合は、言葉ではなく、行動によって表現されます。

言葉で表現されないとはっきり伝わらないタイプにとってはお互いにフラストレーションを感じてしまうことになるので この点をよく理解するとよいでしょう。

楽しいことが好きで、食事、スポーツ、家事、ドライブ、娯楽などを一緒に楽しむことで親密さを感じます。

外部の物理的な様子や刺激に敏感なので、美味しい食事、珍しい風景、美しい調度品などに魅力を感じます。 また、美しい、もしくは、たくましい身体に憧れを感じ、それを獲得したいと望みます。

このタイプの瞬間瞬間を一生懸命生きよく動きまわり働くことができることは美点ですが、 高価な趣味で浪費し散財する傾向があります。 身体の刺激を強く求める傾向が強すぎると、過度な刺激を求めたり、身体を甘やかす誘惑に乗りやすくなってしまいます。

内向的感覚(Si) Introverted Sensing

私たちは、眼、耳、鼻、舌、肌のそれぞれの感覚器官を通して、 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を得ることができ、外部の情報を受け取ります。 また、体内から様々な情報を受けとり、自分自身の肉体の存在に気がついています。 そして、経験したことを記憶しています。

その記憶は、現在の体験と関連する過去の体験を比較するときに必要となります。 今現在の経験はすぐに前回の経験と結び付けられ、 似ている点や異なる点が新たに記憶され整理されます。

各時点での経験と記憶を繰り返し比較することで、 この世界についてのイメージがより鮮明で広がりをもったものになってゆきます。 個人的な経験によって蓄積された記憶は知識の源となり、日常的に「すべきこと」を思い起こさせます。

キーワード
習慣、馴染み、歴史、伝統、文化、既存、規範、信頼、粘り強い、仕事を終わらせる、詳細、記憶、連想、現実、イメージ、経験、過ちを繰り返さない、注意深い、ミスを避ける、慎重、データをよく見る、保存、備え、蓄え、安定、郷愁、懐かしさ、いつもと同じ道、質実剛健、義務、誠実、忠誠、従順、保護、守備、安全、ガイドライン、古くからの親友、身体感覚、自己の存在感覚

内向的感覚が第一心理機能であるタイプは、ISFJ, ISTJです。
内向的感覚が第二心理機能であるタイプは、ESFJ, ESTJです。

内向的感覚は、身体の内部からの情報を感受します。 体内の感覚を敏感に感じ取ります。例えば、疼痛、餓え、渇き、体温、筋肉の緊張などです。 これら身体的な感覚に敏感であること、そして身体の異変に気がつくことは、 生命の維持において大変重要だったことは想像に難くありません。

身体の内部に注意を向ける医療やスポーツは特に東洋で発達しました。 このタイプが、そういった伝統的な健康法に興味をもち実行していることがよくあります。

内向的感覚の主な働きは記憶の維持と活用にあります。

あるものは食べると腹痛を催すから避けるべきであるとか、 ある場所は雨が降ると危険で近づいてはならないとか、 どのあたりに食べ物を隠してあるといった記憶は生物にとって大切な情報です。

過去に経験したこと学習したことは記憶として蓄えられ、 折りにふれて、その情報を脳内から受け取ることになります。

内的に蓄えられたデータや記憶は経験のたびに比較検討されしまい込まれます。 内向的感覚が発達しているタイプは、記憶に優れ、詳細なデータをきちんと分類整理します。 また、何か昔の得た記憶を連想させるような出来事に出くわすと、過去の記憶が次々に蘇ります。

内向的感覚は、情報受容の心理機能であるので、能動的に働かすものではなく、自然と起こるものです。 そのため、記憶の想起や連想はときになんら意志とは関係なく制御されないまま現れてくることがあります。

大量のデータを何の意味付けも得られないまま抱えていることがよくあります。

他者の蓄えた有益な情報も知識の源になります。 そのため、よく本を読み、文献を調べ、細かい点まで注意して見ています。 また、歴史的なことにも興味を持ちます。

記憶中心の学習を求められる学生やホワイトカラーの職業人では、この物覚えの良さが強みになります。 それゆえ、テストで良い点を取ることができ、仕事場では頼りになる同僚になることでしょう。

一方、関連性を見出したりや意味づけを行ったりせず、ありのままの状態を具体的に想起するので、 抽象的で具体性に欠くアイデアやその着想に基づいた話には興味が持てません。 また、背後にある意味にまで考えが及んでいないことがあります。

対比を繰り返し、経験から学ぶ態度が確立されます。 繰り返せば繰り返すほど、馴染み深く感じるようになり、信頼を置くようになります。 繰り返しと比較検討によって、詳細で緻密なことろにまで意識をゆき届かせることができるようになります。 特定の仕事において、一通りの過程を習熟しすると、その後は脇道に逸れることなく粘り強く繰り返すことができます。 細かいところまでよく気づき、記憶力がよく、仕事を最後まで終わらせようとするので、非常に信頼されます。

身なりや食生活はあまり変化がなく、質素になる傾向があります。 目新しい商品に興味を持つことはあまりないでしょう。 物を買うときは注意深く、本当に必要なものだけ選び、好奇心で買うことは控えます。 そのため、生活全体が華美になることはありません。 貯蓄を大切にし、もしもの時に備えます。

習慣を信頼し、既に確立された方法を好みます。 なぜなら、それらは多くの経験に基づいて効果、実用性が実証されたものであると考えられるからです。

古くからの人間関係、古くからの方法などをとても大切にします。 その一方、新しい人間関係、別の手順などを受け入れることには消極的で閉鎖的になってしまい、 新しい可能性とそのインパクトについて考えが及ばないことがあります。 その場合、柔軟な発想がない頑固な人である受け取られることになります。

規範、伝統、ルールを身につけ、歴史的価値観や作法、熟成した文化など、末永く続くと期待できることを信頼します。 そのことから安定感のある方法、組織、制度に対して惹きつけられ、それらを担い維持する役割を負うようになります。

外向的直観(Ne) Extraverted iNtuition

大きな視野に立って客観的に情報を受容する心理機能です。 ひらめきによって背後で働いている力学や関連性を捉え、全体像を俯瞰します。

キーワード
本質を見抜く、ひらめき、インスピレーション、洞察、推測、 賢い、機知、機微、多角的、包括的、創造的、抽象的、理論的、可能性、アイデア、概念、全体像、意味を捉える、図形で考える、シンボル、多様性、広い視野、知的好奇心、試行錯誤、臨機応変、オープン、客観的、普遍的、先入観なし、議論好き、ブレインストーミング、チャレンジング、比喩、類似性、応用、解決法、風変わり、奇抜、新規性、新しい組合せ、法則、パターン認識、傾向認識、イノベーション、創意工夫、 飽きやすい、興味が移ろいやすい、チャーミング、遊び好き、新しい人間関係

外向的直観が第一心理機能であるタイプは、ENFP, ENTPです。
外向的直観が第二心理機能であるタイプは、INFP, INTPです。

素早く本質を見抜き、隠された意味に気がつきます。

ものごとを多角的な視点から解釈し、様々な可能性に基づいてあれこれと考え議論します。

外界の様子に好奇心を寄せ、いろいろなことに気がつきますが、 すぐに直観がはたらき始めるので、現実的な世界の様子をありのままに認識する時間は限られてしまいます。 そのため、心ここにあらずの状態になることがよくあります。

創造的で遊び好きです。 外向的直観の強いタイプは、突然、風変わりで奇抜なことを想像したり、それを言葉にして遊び始めます。 このことは、他のタイプからはふざけていると受け取られることがあります。 もちろん、彼らはいつでもこのようにふざけているわけではありません。 この心理機能を利用すれば、いろいろな遊びで、子どもを楽しませることもできます。

知的好奇心があり、まだ具体性を伴っていないアイデアや抽象的な理論に次々に興味をもち、 どんなことが起こるだろうかとわくわくします。

無数のアイデア、考え方、価値観などを一度に巧みに処理しようとします。 そのアイデアの衝動に駆られた瞬間、次に何が起こるのかは、当の本人も分かっていません。 しかし、新しいチャンスとアイデアの組合せで何かが起こると期待しています。

そして、実際にそのようなことに鼻が効き、他の人が見落とすようなことにも可能性を見出します。 そうやって、ブレインストーミングを信頼し、新しい見地に至ることができます。

アイデアは色々なことを経験したり、読んだりしているときに突然やってきます。 それは、まったく関係ないと思われる文脈においても起こることです。 これらは、無意識に起こる過程で、思考のように意図的に推論しようとした結果ではありません。

「まるで〜のようだ」といった類似性の発見と、 帰納法的に抽象化した概念を思いつき、それが確かなのか知りたいと思うようになります。

しかし、この知的好奇心は際限がなく、次から次へと関心が移ってしまう傾向にあります。 そのため、漠然とした「予感」の段階で終わってしまうことがあります。 そのときは、明確な結論に至らず、行動の指針を与えることがありません。

実際にしっかりとした理論や作品にまで昇華するには、集中した努力が必要です。

可能性に対して開放的で、結論に対しても開放的なので、 焦点を絞ることができずそのことが本人にとっても負担になり、 他人に対してもフラストレーションを感じさせることがあります。

外向性の心理機能なので、その予感は容易に他の人間に伝えることができます。 それゆえ、他の人の助けを借りて議論を通じ、答えに至ることが可能となります。

直観によって得られるアイデアは、先入観がありません。 他者を決めつけてかかることもなければ、 モラル、マナー、経済性、効率性、損得、善悪、美醜、権威の視点に邪魔されることもありません。 それらは、別の心理機能の役割です。

とりあえず、考えられうる可能性を次々に思いつきその視点に立って議論することができます。 それゆえに、未だ認識されていなかった理解に到達することができ、 他人の本質を知ったり、物事の危険をも察知することができるわけです。

頭の中で色々な可能性が駆け巡り、多様なことに興味が沸き起こるので、 ルーチンワークや細々とした手続きを辛抱強くこなすことが困難になります。 しかし、アイデアも新しい可能性もこのような地道な努力によって実現されるものであり、 そうでなければ単なる空想で終わってしまうということに気がつく必要があります。

実際、外向的直観による働きから得られたことを信頼し、注意力散漫になることなく集中して考えれば、 将来に起こり得ることを予見し、未来を創造することが可能になります。 さらに、それらの結果が多くの人たちに受け入れられると徐々に伝統的なものになってゆきます。

ルーチンワークにすぐに飽きてしまう反面、 不測の事態に直面したとき即興で機転の効いた解決法を思いつくことができます。

変化する時代に対応し、新しいプロジェクトを始めるとき、とくにやる気を出すことができます。 前例のないことや対処法が決められていないことに臨機応変に対応し、 その興奮は他の人のモチベーションをも上げることにつながります。

チャンスに対して開放的で、アイデアや理論の関係性を見抜くだけでなく、人間関係をもつなぐ役割を担います。 新しい人間関係を築こうとしたり、あいだを取り持とうとします。

内向的直観(Ni) Introverted iNtuition

複数の事象や現象、概念の共通性や関連性を捉え、ひとつの象徴的なイメージに集約します。

そのイメージはシンプルですが、そこから派生する解釈や可能性は多様です。 しかし、内向的直観は、その多様性よりも、イメージの収束性に重きを置きます。

これによって、一見複雑に見える世界を前にしても、根源的な要素を捉え、深遠な理解に到達することができます。

特定の物事についての枠組みやモデルが繰り返し洗練されてゆきます。

この過程は無意識のうちに起こり、突然にひらめきが生じます。 意識的な努力によって導かれる類のものではありません。

このひらめきは、本人にも理屈では説明できない予期や予感を与えるものであり、 これを信じる者は、何を為すべきか、次にとるべき行動は何か、確信を持つことができます。 長期的なビジョンを与えます。

キーワード
ひらめき、インスピレーション、印象、イメージ、集約、根源、シンプルマインド、洞察、推測、内観、内的モデルとその洗練、パラダイムシフト、超越、関係性、相互作用の認識、影響の認識、現象の解釈、経験の意味付け、シンボル、核心、確信、パラドックス、統合、収束、アイデア、概念、抽象的、理論的、一般化、普遍性、法則、全体像、包括的、システムの理解、比喩、パターン認識、傾向認識、予感、予期、長期的視野、ビジョン、啓蒙、改革

内向的直観が第一心理機能であるタイプは、INFJ, INTJです。
内向的直観が第二心理機能であるタイプは、ENFJ, ENTJです。

この心理的機能を活用しないタイプにとっては極めて説明が難しいものです。 また、内向的な性質を持った心理機能なので、本人はこれを言葉で説明するのに苦労します。

ときに問題解決に向けてあれこれと考えるとき、ただ言葉で説明して分析し整理するだけでは 到底太刀打ち出来ない時がありますが、 イメージやシンボルを用いた手段でこれを難なく成し遂げることができるのは事実です。

内向的直観を活用するタイプは、このことによく気がついていて、自分の懸案に対して、自然とヴィジョンが生じるのを待ち、 一旦そこに至ると、確信を持ってそれを信頼します。

内向的直観は情報の受容に関わる心理機能で、意識内で自然と起こるものです。 そして、予感やヴィジョンを与えるものの、 その明確な理由を与えることができないので、神秘的な能力のように見えます。

内向的直観が優勢なタイプは、外界の環境の詳細にはあまり目が行き届きません。 観察対象をありのままに詳細に捉えるとしても、それは限定された範囲になってしまうことが多いでしょう。 五感によって得られる情報を限定し意識を集中させ、 受容的な態度を保つことで五感を超えたインスピレーションを得るという点において、 瞑想と一致してることは注目に値します。

様々な経験を通して、 五感から得られる情報を無意識のうちに収集し、意識下で統合的なプロセスが起こっていると考えられます。 そして必要なときにヴィジョンが浮かび上がるのです。

これらは、単なる予感であったり、明確な視覚的ヴィジョンであったりします。 また、聴覚や触覚に訴えるものもあるでしょう。

これらは、本人にとって本当に起こっているように感じられたりもするものですが、大抵の場合、現実と区別されます。 実際は、経験の最中よりも後から時間をかけて意識に登ってくることの方が多いかも知れません。

パターン認識が得意で、背後に働いている力、隠された意味、物事の関連性を見出します。 出来事や人の行動から読み取ることのできることを把握し、次に起こり得ることを予見します。

そのような象徴的なシグナルは他のタイプには見落とされがちですが、 この心理機能を利用するタイプは、ちょっとしたシグナルからでも結論に至ることがあります。

このような予見はときに自分のみならず他人に対しても警鐘を鳴らすことになります。 そして、必要が迫れば、人々を啓蒙し変革を促すよう働きかけるかもしれません。

個々の具体的な事実にはあまり興味はなく、普遍的な法則や抽象的な理論を認識します。

突然、明確な理解が意識に上ったとき、本人は言葉にせずとも、 「そうか!わかったぞ!」とか「なるほど!」などと心の中で叫んでいるかもしれません。

この内向性で情報受容の心理機能が一旦確信に至った後は、外界に対しての心理機能の働きによって このヴィジョンが実現されることを強く望むようになります。

そうして、実現すべき課題に取り組みはじめるわけですが、これはときにヴィジョンを生み出した時よりも ずっと困難がつきまとうものです。 この心理機能にばかり耽っていると、関心が狭まり、現実を認識する努力を怠ってしまいます。

一旦強い確信に至ると、新しい事実や変化する現実を観察することに対して消極的になる傾向があります。 その弊害として、実現不可能な世界観に閉じこもってしまう可能性があります。

イメージやシンボルには、異質だと思われることや逆説的で一見矛盾していると思われるものさえも統合する 働きがあります。この点、思考による分析とは異なります。 これによって、新たなレベルでの理解が可能になります。 複雑なシステムや理論であっても、それらへの関心を少数のことに集中させ、 概念どうしの差異、類似性、そして関連性を認識しながら、より統一的で普遍的な理解に至ろうとします。

外向的思考(Te) Extraverted Thinking

外向性の心理機能であるので、注意は外部に向けられます。 思考の心理機能であるので、理論や原理原則に従って、効率的で合理的な意思決定を行います。

キーワード
外的秩序、公平、率直、客観的評価基準、規律、ルール、命令、原理、原則、審判、慣習的手法、実用性、実践、目標、客観的推論、因果関係を捉える、合理性、効率、順序、配置、計画、資源配分、平行処理、責任、実行、努力、積極性、勝負、平定、賞与、処罰、叱責、信用、遠慮無し、集団行動、権威主義、官僚主義、追従、権力志向、宣伝、マネージメントスキル、リーダーシップ、フォロワーシップ、決断、システム構築

外向的思考が第一心理機能であるタイプは、ESTJ, ENTJです。
外向的思考が第二心理機能であるタイプは、ISTJ, INTJです。

乱雑な状態にあるものを秩序ある状態にしようとします。 そのためには、何事も明瞭に規定され、定量的に評価できることが重要です。

慣習的で標準的な方法を信頼しており、公平性に基づいて秩序を見出そうとします。

公平な勝負に基づいて、勝者、敗者の区別を容易に認めることができます。

人生のあらゆることを真剣に受け取ります。 責任感があり、なにもせずにリラックスしてばかりいることには居心地の悪さを感じます。

自分自身も有能であることを望み、なすべきことに集中し、ゴールを目指します。 大きな仕事を任された時は、たとえそれが困難であっても、自分の能力を試す良い機会であると捉え、喜び、成功を目指して邁進します。

思考を整理したり説明したりするために、アウトライン、図表、フローチャート、グラフなどを適切に利用します。 また、これらを素早く読み取り、不適切な配置や欠けている点に気がつくことができます。

自分の考えを文章を使って伝える際にも、理解しやすい流れになるように工夫します。 適切な配置と計画を頼りにすれば、効率よく説明することができ、物事を円滑に進めることができるからです。

そのようなシステマティックで戦略的な態度は、家庭の中の家具の配置や休暇のとり方、近所づきあいにまで及びます。 滞りなくきちんと機能するようにするための努力を惜しみません。

基盤のきっちりした組織に魅力を感じます。 そこには、しっかりとした運営のルールや優先順位が存在しているからです。

外向的思考を活用するタイプは、組織の構造やルールをいち早く理解し、それに従うことができます。 法律体系や官僚体制などは、まさに外向的思考の色彩が大きく現れている領域です。

組織がピラミッド構造になっている場合は、より高いところに上り詰め、 自分の合理的対処能力を活用して、他者に指示を下すことを望みます。

実際にこのタイプは組織の担い手になり、その構築と運営において大きな役割を果たします。 人員や資源の配分を行い、環境を整備するように努力し、そのために人々に指示を出します。 また、一貫した計画を立て、その進捗において、随時、評価を行います。 このようにして、組織が効果的に機能し、プロジェクトが滞りなく進行するように監督します。 それがうまく行けば内的な安心感も得ることができます。

合理的であり、素早く断固とした判断を与えますが、その判断基準は幾つかの簡潔な要点にのみ従っており、 考えすぎることはありません。 人、アイデア、技術、制度などを実際に採用するかどうか決めようとする場合、 「実用的か否か」といったプラグマティックな基準が原理原則があります。 そのために、慣習的に用いられている分かりやすい評価基準を好みます。

外向的思考の強いタイプは、念入りな計画と合理的な方法を採用することで、大抵のことを、うまくこなしてゆきます。 そして、自他共に利益をもたらし、多くの人間に良い影響を与えることができます。

しかし、自分の感情に気がついたり、自己の価値観に従うことに困難を伴うことがあります。 また、他人の感情に配慮するといったことも、あまり得意ではありません。

それゆえに、モラル、マナー、人間に対する理解などが浅くなります。 外向的な心理機能なので、社交的であり、よく笑いながら陽気に会話を交わします。 しかし、他者の意見をじっくり聞くよりも、自己の判断を一方的に話す傾向にあります。 実際の関心は、大抵の場合、人ではなく物や事にあるのです。

他人の欠点を率直に指摘することができますが、 ものの言い方には配慮しないため、人を傷つけてしまうことがあります。

確かに客観的な視点に立つためには、遠慮のいらない率直な態度は必要なことです。

そのような率直さを無意識のうちに身につけており、どうしてもそれが表に現れてしまいます。 本人は気がつかないうちに失言を繰り返し、モラルや他者への配慮に欠いてしまい、反感を買うことになります。 その結果、他者の協力が得られず、計画は頓挫し、内的な安らぎまでもが脅かされてしまいます。

内向的思考(Ti) Introverted Thinking

内向性の心理機能であるので、意識の内面に注意が向けられます。 思考の心理機能であるので、論理や原理に従って合理的な意思決定を行います。

キーワード
第一原理、原則、仮説、公理、定義、厳密さ、推論、帰結、法則、理論、モデル化、効率、要点、簡潔さ、真偽の判断、感情に左右されない、比較、分析、解析、知識、深い思考、独自の思考過程、独自の価値観、自己規律、主体性、利益、懐疑的、完全な理解の追究、確からしさ、一貫性、無矛盾、システムの仕組み、競合、エレガントな解法、アイデア、根本的な問題を捉える、白黒はっきりさせる

内向的思考が第一心理機能であるタイプは、ISTP, INTPです。
内向的思考が第二心理機能であるタイプは、ESTP, ENTPです。

内向的思考は、意識の内面において、論理的に判断の基準を築きあげ続けます。

定義、公理、原理、基本的原則から出発して、推論を行い到達した結論を信頼します。

独自の思考過程を経て、エレガントな解決法を思いつくことがよくあります。

一方、思考が複雑になり過ぎるとその帰結をどうやって導いたのか他の人が理解できないことがあります。 また、自分自身でさえも考えに耽っているとき出口を見失うことがあります。

どのようにして物事が進行し、システムが機能するのかできるだけきちんと理解するためにつき詰めて考えます。

仮説や原理を基にした推論を頭の中で継続して行い、矛盾があるとすぐに気がつくことができます。

何が何故間違っているのかという点において目ざとく個人的な感情に流されることなく追及しようとします。

正しいと確信を持つには時間がかかり、延々と推論を積み重ねるて確からしさを増してゆこうとします。 それゆえに、正しいと確信するというよりは、間違っているとは考えられない、もしくはより効率的であることが判断の基準になります。

単に実用的なことや慣習に価値を置くのではなく、懐疑的な姿勢で深く理解しようとします。

分類や分析によって、システムがどのようにして働いているのかをとことん理解しようとします。 自然物であっても、人工の装置であっても、中身がどうなっており、どのような仕組みになっているのか興味を持ちます。

各部分の働きと、部分どうしの関連を知るために、実際に分解してみることもあるかも知れません。 しかし、いつでもそうできるとは限らないので、あれこれ考えたり、本を読んだりして知識を蓄えることになります。

内向的思考が強く働くタイプにとって欠陥や矛盾は致命的です。 問題の根源と、それに起因する結果を見抜きます。

信頼できる理解に達すると、そこから理論的に考えて問題解決のための戦略を立てます。 また、何度も同じことをやることは非効率であると感じられ、我慢できません。

定量的な比較においても、厳しい目を持ちます。 一貫性を求めて推論を行い、導かれた帰結が、モデルによって正確に評価できるかどうか考えます。 この過程を繰り返して、蓄積された知識は、より大きな理論の枠組みへと矛盾なく統合されてゆきます。

そのようにして、内面において思考の判断基準となる知識が育ち続けます。 しくみをとことん追求し、各部分の働きを知っているので、問題解決の効率的なアイデアを得ることができます。 どの部分をどのように変えれば、どの程度改善されるのか、そして、もっとも効率よく改善するには どの部分に手を加えればよいのかといったことに気がつくことができるからです。

内向性の心理機能なので、個人の中で洗練されてゆくものです。 その思考による判断基準は、慣習的なものではなく、誰にでも受け入れられるものであるとは限りません。

深く継続的な推論と膨大な知識に基づいているので、その推論過程を他者と共有することは困難であり、相当の努力を要します。 もし、その必要に迫られることがあれば、要点のみを簡潔に説明することで済ませようとするかもしれません。

言葉の定義をなるべく厳密に行い、自分が意味することを正確に伝えようと努力します。 そうすることで、曖昧な思考を排除し、効率的な説明ポイントを見つけ出すことができるからです。

内向的思考が強いタイプは、自分に対して厳しい規律を要求します。 曖昧な推論や、甘えに基づいた非現実的な希望的観測に従うことは馬鹿げていると考えます。 いつでも、理論的な思考から導かれた結論に従うことこそ、最終的には利益をもたらすと考えられるのです。 それゆえ、自律的に物事を考え判断し、主体的で独立しています。

一方で、他者の感情や結びつきに対する配慮に欠いてしまうことがあります。 他の人から見ると、どこかよそよそしく冷徹に見えることがあるでしょう。

そして、実はそのことで孤立したり、肯定的なフィードバックを得ることができず、 自分の不利益につながってしまうということには気がつかないでいます。

人の意識は自分を中心に発達し、徐々にその範囲が拡大してゆきますから、 内向的思考によって導かれた結論や知識はまず自分の利益のために利用されることは自然なことです。

知識を隠しておくことで、利益を占有できるならばそうしたいと思うことでしょう。 一方で、知識を広め、協力関係を築き、他者と利益を共有することが有益かどうか考えてみることをおすすめします。

内向的思考の働きは、個人的な知識と行動指針を与えますが、深く追求しようとする性質があるので、 その確からしさにおいて際立っており、他者に対しても利益をもたらすことができる類のものであることは稀ではありません。

関心が狭い範囲にのみ向けられるときは、利己的になってしまいます。 そして、特にこのタイプは、利己的な性質からなかなか抜け出せないようです。

知識の共有と適応の範囲がグループ、地域、世界へと広がるにつれ、全体に利益をもたらすようになります。

外向的感情(Fe) Extraverted Feeling

外向性の心理機能であるので、外界に注意が向けられます。 感情の心理機能であるので、対象に接して感じることを基準として判断し意思決定を行います。

キーワード
人間関係、集団における調和、マナー、礼儀、社交的、友好的、親切、共感、親密さ、感情表現、表情豊か、愛情、面倒見、相談、話を聞いてもらう、フィードバック、喜びやすい、傷つきやすい、コミュニケーション能力、言い方に配慮する、素直、素朴、謙虚、社会的規範、公共性、道徳観、長幼の序、親の役割、男女の役割、協力、価値観の共有、知識の共有、全体の利益、名誉、賞賛、賞与、処罰、秩序、準備、感情に訴える、ジェスチャー、魅力的、カリスマ、煽動、感性、美的センス、芸術、教育、啓蒙、援助、文化、歴史、畏敬の念、尊敬、嫌悪、マネージメントスキル、リーダーシップ、フォロワーシップ、決断力、平和

外向的感情が第一心理機能であるタイプは、ESFJ, ENFJです。
外向的感情が第二心理機能であるタイプは、ISFJ, INFJです。

極めて社交的で、多くの人と関わり、他人の感情を捉え、早く親密な関係を築くことができます。

他人と自分の感情の区別が希薄で、その垣根が低いので、容易に感情移入することができ、よく他人のことを気にかけます。

自己開示をし、人をリラックスさせたり、もてなしたりすることが上手です。 ときに冗談を言って笑ったりしながら、会話が花開きます。

他者にも自己開示を求め、やがてお互いをよく知るようになり、新しい人間関係が発展します。 さらに、人々が最善の状態で独自の能力を発揮できるように、手はずを整え、面倒を見ようとします。

多様な価値観に興味を持っています。

人を排除しようとすることはせず、どんな人も和の中に参加していることが大切だと考えます。 そのためには、皆で多様な価値観を共有することが重要なのです。

人間に対する洞察を自然と身につけており、それぞれの長所に基づいて何を楽しいと感じ、どのような仕事が向いているか 気がつくことができます。 そして、人々が社会の中において、適切な役割を担い、幸せになれるように応援します。

感情表現が豊かで、表情や仕草、ジェスチャーは誤解の余地がないほど分かりやすいものです。 怒り、嫌悪、悲しみといった否定的な感情も分かりやすく表に出しますが、 できるならば、喜び、楽しさ、愛情、陽気さ、勇気といった肯定的な感情を共有し親密な関係を築きたいと望んでいます。

様々な感情表現を行い、その雰囲気を纏い、自分の思いを伝えることができますが、 内向的思考タイプからは、それが大げさで、現実離れしているように見え、懐疑的に捉えられてしまうことがあります。

人の良い面を発見したり、人を許すことができます。 他者に共感し、感情を共有することで親密さや協力関係の重要性に気がつき、そして尊敬の念や愛情を形成してゆきます。

外向的感情が強いタイプは、他者からのフィードバックに敏感で、否定的意見に傷つきやすくはありますが、 極めて謙虚で素直であり、素朴な印象を与えます。 肯定的なフィードバックはエネルギーの源になります。 他者から賞賛を得ることは、名誉なことであり、誇るべきことだと思うかも知れません。

社会的な道徳観を受け入れ、目上の人を敬い、同僚と協力し、年下の人間たちを助けようとします。 父母に尊敬と感謝の念を抱き、家族を大切にします。 他の人たちにも礼儀正しく振る舞うように勧めます。

多くの人たちを教育し、勇気づけ、肯定的な感情で訴えかけようとします。 人々が調和を保って各々の能力を最大限に発揮できることが何よりも大切であり、 そうすることで自分の生活も安全に保つことができるのです。

規律とルールを重んじ、人々の役割を明確にします。 指導される必要があり、人を指導しようとします。 あまりにも、他人との感情の垣根が低いために、指導を必要とせず独自に達成しようとしている人間にも 必要以上に関わり、コントロールしようとすることがあります。

外向的感情が強いタイプは、社会における男女の役割の別を意識します。 それゆえ、女性は女性らしく、男性は男性らしい感性を持とうとします。 このタイプは、女性の方が少々多いのですが、男性ももちろん一定の割合で存在します。 他者の意見に弱く、傷つきやすくなってしまいますが、そのことは男性らしさに反します。 そのため、これを克服しようと極端な努力をすることがあります。 例えば、身体を酷使するスポーツに専念したり、理屈をこねて説明したがったり、理論的な学問分野にはまったりします。

外向的感情が強いタイプは、共感能力に優れていますが、 一方で自分の感情に何か問題が生じた時に、一人で処理するのに苦労します。

そのときは他の人に話を聞いてもらうことで、少しずつ自分の感情を解きほぐしてゆき、安心できるようになります。 それが、直接的な問題解決をもたらさないものだとしても、 話を聞いてくれる他の人の存在は有り難く、漠然とした不安を軽減してくれるものなのです。

実際に、客観的な意見や率直な批判、理論的な解決法などを求めていないことさえあるかもしれません。 特に思考タイプはこのことに気がつくことができないので、ずけずけと意見を述べ、彼らの不安を増すことがあります。 外向的感情の強いタイプは、否定的なフィードバックに意気消沈し、 客観的な批判を個人に対する攻撃であると受け取ってしまうことがあります。 しかし、それらは単に改善策を示してくれようとしているだけかもしれません。

外界の人間関係に注意を向け、社会的価値観や礼儀を重んじるようになります。 他者にとって心地よく感じられるマナーは、人間関係を円滑にすることができ、平和を築き上げるためには 非常に大切なことです。

優雅で洗練されたマナーは、一般的に快く受け入れられ、肯定的なフィードバックを受けるので、 そのような態度は強まります。 礼儀正しく、親切で、友好的な態度を表に出すことをはばかりません。

外向的感情は判断の心理機能ですが、事や物ではなく、人もしくは人間集団に対して関心を寄せ、 しっかりとした意見を持ち、それを伝え人を動かそうとします。 その際、率直に意見を述べるのではなく、伝わり方、受け取られ方に配慮します。 その意見は断固としているときがあり、とくに和を乱す無礼者に対しては厳しい天罰を下す決定をすることさえあります。

このように、外向的感情は外界における人間の価値観から大きな影響を受けます。 それゆえ、不健全な価値観の持ち主や好ましくない人間関係を見て育つと、大きな被害を受けます。 その者の価値観も不健全なものになりますが、本人は自分でその間違いに気がつくことができません。 そして、誤った価値観を正しいと信じ、人を動かし、煽動しようとします。 まさに、このようなことが起こらないためにも、子どもたちは広く社会に触れ様々な価値観を共有する必要があります。

他者に対する共感能力と、感情に訴えかける能力、そして全体に利益をもたらそうという姿勢は、 ときにカリスマ性を与えることになります。 組織をまとめる役や、政治家の中には、この心理機能が強く働いていて他者から支持されている人たちがいます。

工夫の凝らされた建築やインテリア、日常用品の細工などに美しさを見出すことができます。 また、文学、音楽、演劇、絵画、彫刻などの芸術によって訴えかけられていることに幅広く興味を持ちます。 芸術を鑑賞することによって審美眼を培い、さらには自ら芸術に関わりたいと思うようになることがあります。

洗練された文化や社会的規範を人々と共有し、人間の集団における調和を求めます。 人々をとりまとめ、教育や啓蒙を行い、援助することで社会に対して幅広く貢献することを望むようになります。

内向的感情(Fi) Introverted Feeling

内向性の心理機能なので、自己の内面に意識が向けられます。 感情の心理機能なので、どのように感じるかということを基準として判断し意思決定を行います。

キーワード
心の調和、親切、優しさ、強さ、忍耐、傾聴、感情移入、共感、愛情、忠誠心、慈悲、援助、人情、倫理、モラル、善悪の判断、価値、意味、真偽の判断、正義、審美眼、美的センス、感性、感動、畏敬の念、情熱、決心、印象を捉える、心の本質を見抜く、養育、保護、擁護、弁護、個性、傷つきやすい、感受性、感傷、覚悟、内面の体験、独立した価値観、独自の基準、 懐疑的、本物を求める、率直、高い理想、多様性、真心、利他、是正、尊厳

内向的感情が第一心理機能であるタイプは、ISFP, INFPです。
内向的感情が第二心理機能であるタイプは、ESFP, ENFPです。

自分自身のことを理解しようと絶えず努力します。 自分のモチベーションや価値観、感性を独立して扱うことができます。

自分の中核となる価値観と経験している感情に常に気がついており、内面における調和を大切にします。 感性豊かで、自分の様々な感情の機微を理解していますが、それらが表現されることはあまりありません。

深い感情は、内面において静かに守られます。 真に感じ入るべきことに関心を寄せ、偽りなき本物の感性に到達しようとします。 固い意志と情熱の源になり、身近な人に語られることはありますが、大抵の場合、行為によって表現されます。

内面で働く情報フィルターの役割を担います。 人の仕草、動作の特徴、 声のトーンなどから得られる微妙な印象を把握する心の働きに関わっていますが、 それを言葉で説明するのは困難です。

人の言葉や行為を受けて、信じるに値するか否か、偽りなき本物か否かといったことを判断します。 また、あることに関わる場合、どういった心持ちで臨むべきか、 そもそも関わるべきか否か、それは本当に必要なことかどうかといったことを熟考します。

偽りなき深遠な感情的経験に達するためには、自分の心に対して率直である必要があります。 そのような態度で、自分の内面に注意を向け続け、倫理的価値観を形成してゆきます。 自分の心、他者の心を率直に捉えることができ、モラルを基盤とした善悪の判断を行います。

内面における調和を求め、それに従って行動しようとします。 言動の動機が卑しくないこと、誠実であることが大切であると考えます。 そこには強い情熱と確信、そして信念があります。 それゆえ、望ましくないと考えられることは決してしようとは思いません。 人間存在の尊厳を基盤にして、内的な感動と安らぎを獲得することができます。

情深く、感情移入することができ、よく共感します。

不正や不公平に対して敏感で、それを糺したいと考えます。 不正を犯しているものを糾弾し、虐げられている人たちを擁護しようとします。

他人の悲しみや苦しみに敏感で、自分自身のことのように心を痛めます。 内向的感情が強いタイプは、普段は強い倫理観を自分の胸に押しとどめ、 自分に対してのみ行動の指針としているのですが、 一旦、傍観するに忍びないと感じると、内なる炎が燃え上がり、 一生懸命に努力をし、他の人々にも積極的に働きかけるようになります。

偽りのない真心をもった人間の言葉や行動に触れたとき強く心動かされます。 そして、自分もそうありたいと願います。

自己の内面を探索し続け、真剣な感情と強い価値観は発達してゆきますが、 大抵の場合、これが言葉で表現されることはありません。

無表情であっても、心の中では強い感情をひしひしと感じていて、内なる炎は大切に守られ続けています。 それは、人助けや、アイデアの実現、仕事の遂行、社会への貢献などによって具体的に現れてきます。 その結果、それを見る者の心を動かすことがあります。

個性を大切にし、自分自身の価値観をしっかり持っていますが、 他者に対しては押し付けがましいことは言わず、寛容で親切です。

内向的感情は、個人的な価値観であり、常に誰に対しても受け入れられるものであるとは限りません。 その実直さにおいて、人を驚かせることもあるでしょう。 しかし、感性の深さが際立っているので、実際には多くの人たちの心を動かすものです。

自分自身が個性的であることを誇りに思うこともあるでしょう。 一方で、自分の中核となる価値観を批判された時には、頑固に反論し守ろうとすることがあります。

普段は、静かで、もし他の人にその気があれば、 各人のペースと方法で感情と自己の価値観を掘り下げてゆくことを勧めます。

内向的感情の強いタイプは、自分の情熱や信念に傾注するあまり、 他者に対するマナーや一般的な推論から導かれる帰結を無視していることに気がつかないことがあります。 最悪の場合、他者に全く耳を傾けないほど頑固になることがあります。

さらに、外側に対する働きかけは弱い傾向があります。 しかし、現実世界において、外的な調和なくして、内的な調和は成立しません。 このことに気がつかないと、 本当の意味で独立を果たすことができず、気づかないうちに内的な調和が脅かされてしまうことになります。

心の調和は、人間関係の調和と密接に結びついています。 実際にそのようなことに配慮する努力をします。 そして、他人を受け入れ愛したいという思いを抱くようになります。

内向性の心理機能なので、実際に愛すべき相手は、限られた少数の人たちに向けられます。 自己の心の調和を基盤としているので、そうなってしまうのは自然なことです。 しかし、本当は全ての人間に尊厳や愛情の価値に気がついて欲しいと思っています。

家族、友人、恋人との親密な関係をとても大切にします。 そして、思い入れの生じた物や、思い出を大切に感じます。

人間の態度や、プロジェクトの真価に対して本質を見抜こうとします。 利他的で誠実な言動に大きく心動かされ、自分もそうありたいと思いますが、 もし、欺瞞や不誠実さが見え隠れしている場合はそれを良しとはしません。

自分の関わるプロジェクトの意味や人々への影響についても考えます。 そのプロジェクトに関わることによって、自分が成長でき、他の人間に良い影響を与え、 将来にわたって意義のあるものであると判断したとき、強い信念を抱き、進むことができます。

このように、弱いもの、動物、親友、恋人、家族などに愛着を抱くようになるとそれらを本当に大切にします。 同様に、愛着を持てる仕事に就くことが理想的で、実際にそれが実現されると本当に良い仕事をすることでしょう。 市場において、真に関わるべきビジネスを絞り込み、ニッチェを探しだそうとします。

深い感性を持っているので、芸術に心打たれることがあります。 審美眼をもち、自分の感性や世界観を芸術によって表現したいと感じます。 絵画や彫刻によって、美しい配置による造形美を表現することもあれば、 音楽や歌によって、感情を共有しようとします。 また、文章によって人間の感情や人間関係の模様などを書き綴ることもあるでしょう。